サウナのすすめ ~整う習慣が僕の心を救った話~

自己啓発

はじめに コロナ禍、そして在宅のストレス

在宅勤務が当たり前になったこの数年。人と接する機会が減り、日々のルーティンも乱れやすくなったことで、知らず知らずのうちにストレスを抱える人が増えました。

僕自身、離婚という大きな出来事を経験したばかりの頃に、在宅勤務中心の生活が重なりました。もともとインドア気質ではありましたが、当時はほとんど外出せず、仕事以外の時間は何となく過ぎていくばかり。

気づけば、1日の中でコンビニに行く以外に外に出る理由がない生活。画面越しの人間関係と、変わらない部屋の景色。静かすぎる日々の中に、不安と疲れがじわじわと溜まっていきました。


偶然の出会い、水風呂がすべてを変えた

そんなある日、何気なく訪れたスーパー銭湯のサウナで、初めて「ととのう」という感覚を味わいました。

よく「水風呂のためにサウナに入る」と言われますが、それは決して誇張ではありません。サウナでしっかり汗をかいた後、水風呂に身を沈めた瞬間。呼吸が整い、頭の中のもやがスッと消えていったんです。

身体の芯から熱が抜け、肌に冷たい刺激を感じながら、頭の中にスペースができていく。あのときの感覚は今でも鮮明に覚えています。

あれから僕のストレス解消法は大きく変わりました。気持ちが沈んだ日、余裕のない日、何もしたくない日。そんな日こそ、僕は“サウナに行く”と決めています。


サウナは、思考のリセットボタン

「ととのう」とは、身体が軽くなるだけじゃなく、思考がリセットされることなんだと気づきました。

現代は、情報や感情がひっきりなしに流れ込む時代。スマホ、SNS、仕事のチャット、メール——頭の中は常に何かでいっぱいです。

でも、サウナではすべてが止まる。
スマホも見ない。音もない。人とも話さない。
ただ、自分の体と向き合うだけ。

そして水風呂から外気浴へ——目を閉じ、風を感じ、深呼吸を繰り返すうちに、脳が「今ここ」に戻ってくる感覚。これが僕にとっての“整う”です。

実際、フィンランドの研究(Finland Sauna Study, 2018)によると、サウナ浴は自律神経を整え、ストレスホルモンの分泌を抑える作用があると報告されています。日本国内でも、サウナ利用と精神的充足感の相関が確認されています。


瞑想も試したけど、サウナは“強制的に効く”

ストレス解消として、他にも瞑想や呼吸法などを試したことがあります。確かに効果はありました。ただ、気分に左右されたり、続けるのが難しかったりする。

サウナの良さは、コンディションに関係なく「整い」に導いてくれるところ。
たとえ何も考えられない日でも、施設に行き、流れに身を任せるだけで、自然と回復していく。

特に冬のサウナは最高です。冷たい空気と温かい体のコントラストは、深いリラックスと快感をもたらしてくれます。あの一瞬の“生き返る感覚”がクセになる。


何もなかった1日が、“いい日だった”に変わる

かつての僕は、休日に「何もしなかった」と自己嫌悪に陥ることがありました。
でも、夕方にサウナへ行く。それだけで、不思議と「今日はいい一日だったな」と思えるようになったんです。

これはおそらく、達成感と回復感の両方を味わえるから。体を使い、汗を流し、ちゃんと疲れて、きれいに抜ける。そんな実感が、日常の満足度を高めてくれるのだと思います。

産業医科大学の調査によると、週に1〜2回のサウナ習慣を持つ人は、メンタルヘルスの指標が安定している傾向があるそうです。


ストレス社会に、サウナという逃げ場を

今はコロナも落ち着き、在宅勤務や働き方も多様化してきました。でも、ストレスが消えたわけではありません

仕事、人間関係、将来の不安。
現代を生きる私たちは、常に何かを背負って生きています。

そんな中、サウナは静かに、自分を整える場所を与えてくれます。
言葉もいらない。スキルもいらない。
ただ、熱に身を委ね、水に沈み、静かに深呼吸をする。

それだけで、心の輪郭がくっきりしてくる。


はじめての人へ:「整う」ためのステップ

サウナ未経験の人には、以下のステップがおすすめです。

整いの3ステップ

  1. サウナに入る(6〜10分/我慢しない)
  2. 水風呂に入る(30秒〜2分/最初は足だけでもOK)
  3. 外気浴で休む(5〜10分/ベンチや椅子でリラックス)

これを2セットほど繰り返すだけで、驚くほど頭がスッキリします。


おわりに 整うことで、自分に戻れる

整うという行為は、誰かのためでも、成果のためでもない。
自分の輪郭を取り戻し、自分自身で在るための行為なんだと。

だから僕はこれからも、ストレスを抱えた日こそ、サウナに行こうと思います。
あの日の僕を救ってくれたように、今日の僕も、静かに整えに行こうと思います。

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